Euro-PCT出願の審査期間短縮手続のご案内

掲載日 2015年06月19日


-EPC規則161(2)の適用除外について-

 

欧州特許庁(EP)に対して移行手続きをする国際出願(Euro-PCT出願)の早期審査を希望される場合は、PACE又はPPHと合わせて、欧州特許条約(EPC)規則161(2)の適用除外の申請を検討されることをお勧めします。適用除外を受けることにより、少なくとも6か月以上、審査期間を短縮することができます。

 

1.EPC規則161(2) とは

 

EPへの国内移行手続を終えたEuro-PCT出願人は、EPによるサーチ(先行文献調査)が始まる前に、通常、EPC規則161(2)の通知を受け取ります。それから6か月以内に、出願人は、EPに対して自発補正をすることができます。補正後のクレーム等について、サーチがなされます。

 

2.規則161(2) の適用除外

 

出願人は、この規則161(2)の通知を予め辞退することにより、規則161(2) の適用除外を受けることができます。

 

3.適用除外を受けた場合

 

適用除外を申請した出願人には、規則161(2)の通知はなされず、その出願について直ちにEPによるサーチが開始されます。すなわち、適用除外を受けたEuro-PCT出願については、通知への応答期間である6か月(国内移行後、規則161(2)に基づく通知がなされるまでの1~2月分を加えると約8月)分だけ、サーチが早期に開始されます。
なお、いったん規則161(2) の通知がなされると、出願人が早期に応答しても、通知後6月間は、サーチは開始されません。

 

4.適用除外のメリット

 

EP移行時に、所定の用紙の該当項目にチェックを入れるだけで、確実に(適用除外を受けたい理由等は問われません)、審査期間を短縮することができるので、簡単な申請手続により、早期審査が期待できます。また、庁費用もかかりません。

 

5.適用除外のデメリット

 

適用除外が申請されることにより、EP移行後サーチ前に自発補正をする機会が出願人により放棄されたことになります。そのため、適用除外を申請する出願人が、サーチに備えて、EP移行時に十分な自発補正をしておく必要のある場合があります。

 

6.PACE又はPPHとの併用

 

PACE又はPPHと、規則161(2) の適用除外とを併用することができます。(PACE又はPPHの適用を受けても、適応除外の申請をしない限り規則161(2)に基づく通知がなされます)。特に、PPHの場合で、EP移行時に日本で登録となったクレーム等に合わせた十分な自発補正が可能なときは、適応除外との併用の効果をより受けやすくなると思われます。

 

小原隆章(弁理士登録2011年)

 

関連Site:
http://blog.livedoor.jp/hasenfus/archives/30977270.html
http://documents.epo.org/projects/babylon/eponet.nsf/
0/7C5EF05581E3AAC0C12572580035C1CE/$File/euro-pct_guide_2015_en.pdf